ミゲル・ソコロビッチ 2012年全登板をYouTubeで見よう。 2012/11/21 (Wed)

カープのブルペンを二年間支えてくれたデニス・サファテの退団が決まった。

守護神として大活躍した初年度、サファテが残したインパクトは、広島カープだけでなく日本プロ野球界で活躍した名ストッパーたちを上回る内容だった。

速いだけなら日本の打者もなんとか対応できるが、サファテには150キロ後半の剛速球のあとに大きなカーブがあるのだ。はっきりいって反則の投球パターンだ。

メジャー時代もフォーシームに強いとされるメジャー・リーガー相手に、この投球スタイルで、119.1イニングで131三振も奪っている。日本でフォーク･ボールをおぼえ、投球の幅が広まり、大活躍の2011年だった。

ニ年目の今期、前年受けた脱腸手術のため、思い通りの投球が出来なくなっていた。速球が決まらなくなったと指摘されるが、私はカーブがポイントだったと思う。故障の影響で調整不足だったためか、得意なカーブは見られなくなってしまった。

サファテほどの投手だ、カープ退団後も日本の他球団が候補にしているのもうなずける。出来ればアメリカに帰って投げて欲しいのがカープ・ファンの心情だ。

まだまだ現役を続けるわけだから、体調を戻して元気な姿を見せて欲しい。サファテよ。剛速球をありがとう。

さて、サファテの後継者をカープ球団がリストアップというニュースにあわせ、私も勝手にリスト･アップをしていた。

ここで問題なのが、新しく獲得する投手への期待ポジションである。

一軍外国人枠4つのうち、投手でバリントン、ミコライオ。野手ではメジャーで3シーズン、レギュラー経験を持つフレッド・ルイスまでは確定だ。ここに再契約予定のエルドレッド、リハビリ枠でニックが続く。

新外国人リリーフ投手は二軍でスタンバイする可能性もあり、二軍生活を我慢できる投手でなくてはならない。

MLBでのキャリアが、あんまりあっては逆に困るわけだ。

マイナーで好投しているものの、メジャー経験のあまりない投手が候補になる。

まずはフィリーズのB.J.ローゼンバーグをあげたい。
http://goo.gl/oAdG3

MLB 22試合 1勝 2敗 25回 24三振 防御率6.12 WHIP1.28 SO/BB 1.71
3A INT 20試合 4勝 2敗 54回 63三振 防御率2.00 WHIP1.204 SO/BB 3.94
2A EST  5試合 1勝 0敗 3S 8回 10三振 防御率1.12 WHIP0.875 SO/BB 5

この投手は最速158キロのツーシームとスライダー、スプリットが武器で、サファテとミコライオを合わせたような投手で、デカくて速くてボールを動かすのだ。日本の打者が苦労するタイプだ。

6月メジャーに初昇格したものの、初戦でサヨナラ・ホームランを浴びる痛いデビュー戦となった。8月に再び昇格し、10試合8.1回で防御率9.72、ここでも内容はよくなかったのだが、メジャーに慣れてきた9月には、8試合10.1回で防御率0.87、フィリーズのリリーフ投手で一番の成績を収めてしまった。これでは獲れない。

2012年9月9日　コロラド・ロッキーズ vs フィラデルフィア・フィリーズ
三振二つ奪う好投。チームが逆転し初勝利を手にした。
http://www.youtube.com/watch?v=iNwgkLLDT1w&feature=player_detailpage#t=6685s

次の候補はクリス・ハッチャーだ。
http://miami.marlins.mlb.com/team/player.jsp?player_id=501822#gameType='R'

MLB 11試合 0勝 0敗 14.2回 10三振 防御率4.30 WHIP1.568 SO/BB 1.67
3A PCL 37試合 1勝 0敗 11S 47回 45三振 防御率0.77 WHIP1.021 SO/BB 3.00

投手キャリアがわずか二年しかなく、それまではキャッチャーをやっていたという選手で、キャッチャーとしてメジャーの試合に出場したこともあるのだ。

キャッチャー出身のピッチャーは他にもいるが、メジャー経験のあるキャッチャーが、ピッチャーに転向し再びメジャーに戻ってきたのは近代MLBでは彼しかいない。

キャッチャー出身のピッチャーで名前がハッチャー。しかも髭である。ミコライオとヒゲ・コンビでネタにも困らない。

しかし普通に一軍で通用する投手で、二軍にスタンバイさせる投手ではない。

2012年6月17日　マイアミ・マーリンズ vs タンパベイ・レイズ
http://www.youtube.com/watch?v=d8nO02nSnRg&feature=player_detailpage#t=10097s

カープのチーム状況を考えると、欲しかった本命はブランドン・シスクだったのではないかと思う。
http://mlb.mlb.com/team/player.jsp?player_id=545196

3A PCL 50試合 3勝 2敗 8S 67.1回 73三振 防御率2.54 WHIP1.351 SO/BB 2.28

来期のカープはミコライオ、今村に繋ぐ投手として福井をリリーフとして使う予定だ。シスクはコントロールには難があるが、手薄な左のパワー・アームである。8月と9月はほとんど失点がなかった投手で、しかもメジャー経験は一度もない。二軍に置いておくにはもってこいの投手だ。

所属しているのは仲良くしてもらっているカンサスシテイ・ロイヤルズということもあり、シスクに決まりだと思っていたのだが、ロイヤルズがエンゼルスとトレードを行い、アービン・サンタナを獲得することになった。サンタナは元々好投手なのだが、期待された成績が残せず、高額不良債権になっていた投手だ。サンタナを引き取ってくれるチームを探していたところロイヤルズが名乗りをあげトレードがまとまった。このトレードの見返りで、エンゼルスが選んだのがシスクだった。残念。

マイナーで投げるシスクのダイジェスト動画。真っ直ぐばかりだが、力のあるボールを投げている。
https://www.youtube.com/watch?v=gNHgCmLqtjM

結局カープが選んだのはこの投手だった。

ミゲル・ソコロビッチ

25才　右投げ右打ち　身長185センチ 体重86キロ

MLB公式
http://goo.gl/rZif1
MiLB
http://www.baseball-reference.com/minors/player.cgi?id=socolo001mig

MLB 通算 12試合 0勝 0敗 16.1回 12三振 防御率6.06 WHIP1.47 SO/BB 1.33

2012
3A 31試合 4勝 0敗 55.1回 57三振 防御率2.11 WHIP0.90 SO/BB 4.07
INT 28試合 4勝 0敗 2S 52回 52三振 防御率1.90 WHIP0.94 SO/BB 3.71
PCL 3試合 0勝 0敗 3.1回 5三振 防御率5.40 WHIP0.90 SO/BB 0 (四球が0だったため)

ベネゼエラ出身の25才。リリース前の右手の使い方に特徴がある投手で、2005年にはトミー・ジョン手術の経験があり、今年初めてメジャーのマウンドを踏むまで、6シーズン、マイナーで過ごした結構な苦労をしている投手だ。

元々コントロールに難のある投手だったようだが、今期の3Aでは、1四球で4.07三振をあげ、まとまりが見られる。

同じインター・ナショナル・リーグでプレーしていた西岡(現・阪神タイガース)とは一度対戦し、カープに加わったフレッド・ルイスとは二度対戦し、すべてソコロビッチが三振に抑えている。

3Aのオールスター戦にも出場。1イニングで2三振を奪う好投を見せている。

今期の3Aでの登板は31試合なのに55.1回も投げていることから、ロング・リリーフとして使われていたことが解る。

カープの一軍で投げるとすれば、6回～8回あたりを投げるポジションになるだろう。回跨ぎで好成績をあげていることも、スコロビッチ獲得につながったのではないかと思う。

盗塁数は55.1回を投げ、7盗塁されているので、クイックがものすごく上手いタイプではない。代走が出てくるクローザーなどではあまり使いたくはない。

MLBで登板した全試合を映像で見ると、速球は93マイル(150キロ)を常時記録する、最速は95マイル(153キロ)　変化球はツーシーム、スライダー、チェンジ・アップがあるようだ。

オリオールズ時代の映像ではあまりいいシーンは見られない。オリオールズの40人ロースターから外され、ウエーバーにかけられるも、何か光るものがあると評価されたのだろう、途中でカブスが獲得している。カブス移籍後の9月21日の投球がメジャーでのベスト・ピッチングになる。

評価としては、まだまだ荒削りの投手だが、日本で学んでいけば、伸びしろが大きく楽しみな投手という表現になるだろう。五番手外国人選手として来たるべきチャンスに備えて欲しい。

YouTubeでソコロビッチの動画チェック

2012年7月14日　デトロイト・タイガース vs ボルティモア・オリオールズ
メジャー・デビュー戦　最初の打者オースティン・ジャクソンから三振を奪う。今期三冠王を獲得しMVPにも輝いたミゲル・カブレラを打ち取っている。
http://www.youtube.com/watch?v=pWv17NeQoao&feature=player_detailpage#t=11624s

今期途中からカープに加わったエルドレットはデトロイト･タイガースの3Aにいた選手だ。相手の打者はエルドレッドのタンコブだった選手たちだ。

ハーフ・フライになった送りバンドにダイビング・キャッチを試みる。
http://www.youtube.com/watch?v=pWv17NeQoao&feature=player_detailpage#t=12812s

2012年7月16日　ボルティモア・オリオールズ vs ミネソタ・ツインズ
この試合は先発が一回持たずに降板したための緊急登板　ジョー･マウアーと二度対戦　最初にホームランを打たれるが、二打席目は三振に獲っている。
http://www.youtube.com/watch?v=Li0sL4QB0SQ&feature=player_detailpage#t=2816s
http://www.youtube.com/watch?v=Li0sL4QB0SQ&feature=player_detailpage#t=3650s
http://www.youtube.com/watch?v=Li0sL4QB0SQ&feature=player_detailpage#t=5209s

2012年7月27日　オークランド・アスレチックス vs ボルティモア・オリオールズ
一点リードでツーアウト一塁で登板するも、四球二つで満塁にしてしまい、逆転タイムリーを打たれてしまう。
http://www.youtube.com/watch?v=ufUvLEnJB6c&feature=player_detailpage#t=7091s

2012年7月28日　オークランド・アスレチックス vs ボルティモア・オリオールズ
先頭打者に大きな当たりを打たれるが、三凡に抑える。
http://www.youtube.com/watch?v=uWKEZgyKCno&feature=player_detailpage#t=6953s
回跨ぎ、六凡に抑える。
http://www.youtube.com/watch?v=uWKEZgyKCno&feature=player_detailpage#t=7992s
さすがに三イニング目は疲れて失点するが、最後はツーシームがうまく決まって二者連続見逃し三振。
http://www.youtube.com/watch?v=uWKEZgyKCno&feature=player_detailpage#t=8858s

2012年8月8日　シアトル・マリナーズ vs ボルティモア・オリオールズ
マイク・カープとのカープ対決が実現するが四球、ニイニング目には川崎との対戦が見られる。
http://www.youtube.com/watch?v=XNQy2Lncsto&feature=player_detailpage#t=9414s
http://www.youtube.com/watch?v=XNQy2Lncsto&feature=player_detailpage#t=10629s

2012年8月11日　カンサスシテイ・ロイヤルズ vs ボルティモア・オリオールズ
ランナー1・2塁の場面で登板　先頭打者にタイムリー
http://www.youtube.com/watch?v=VjFCuDDamJ0&feature=player_detailpage#t=17354s
アレックス・ゴードンにホームランを浴びる。
http://www.youtube.com/watch?v=VjFCuDDamJ0&feature=player_detailpage#t=18189s

2012年9月4日　シカゴ・カブス vs ワシントン・ナショナルズ
カブス移籍後、初登板
5回　ジェイソン・ワースを152キロの速球で三振
http://www.youtube.com/watch?v=QlFB8Ug2eY0&feature=player_detailpage#t=6863s
6回　先頭のジマーマンにホームラン
http://www.youtube.com/watch?v=QlFB8Ug2eY0&feature=player_detailpage#t=8760s

2012年9月6日　シカゴ・カブス vs ワシントン・ナショナルズ
またまたジェイソン・ワースから三振　ブライス・ハーパーとの対戦も見られる。8回からは去年カープにいたチャッド・トレーシーがファーストに入っている。
http://www.youtube.com/watch?v=lrmjCIXDXq8&feature=player_detailpage#t=9623s

2012年9月10日　シカゴ・カブス vs ヒューストン・アストロズ
この試合ではボールが先行してしまう。キャッチャーがマウンドに行き、アドバイスされると突然いいボールが行き始める。
http://www.youtube.com/watch?v=NnvYDDzdHKs&feature=player_detailpage#t=9540s

2012年9月16日　ピッツバーグ・パイレーツ vs シカゴ・カブス
マッコチャンの打席ではチェンッジ・アップがいい落ち方をしている。ギャレット・ジョーンズを三振に獲ったスライダーもよかったが、ランナーを二人出したところで交代している。
http://www.youtube.com/watch?v=1GBBvnUPoUI&feature=player_detailpage#t=9230s

2012年9月21日　セントルイス・カージナルス vs シカゴ・カブス
先頭打者を三振に獲ったスライダーと、最後の打者に決めたツーシームはよかった。黒田のシュートっぽく決まっている。
http://www.youtube.com/watch?v=JhZ58CNwpJM&feature=player_detailpage#t=7887s

2012年9月23日　セントルイス・カージナルス vs シカゴ・カブス
最終登板　スライダーで三振を獲っている。
http://www.youtube.com/watch?v=DWu9fX8TTbg&feature=player_detailpage#t=11869s

6月7日　ロチェスター・レッド・ウイングス戦
2.2回を投げ、西岡たちから5三振を奪っている。
http://www.milb.com/milb/stats/stats.jsp?gid=2012_06_07_noraaa_rocaaa_1&t=g_box&sid=t568

6月10日　バッファロー・バイソンズ戦
カープの新三番打者フレッド・ルイスから三振
http://www.milb.com/milb/stats/stats.jsp?gid=2012_06_10_noraaa_bufaaa_1&t=g_log&sid=t568
6月20日　バッファロー・バイソンズ戦
ここでもフレッド・ルイスから三振
http://www.milb.com/milb/stats/stats.jsp?gid=2012_06_20_bufaaa_noraaa_1&t=g_log&sid=t568

2012年3Aオールスター戦　元ロッテパスクチ。元横浜ダン・ジヨンソン。ブーチェック。
元･巨人アルバラデホ、オリックスに加わるブランドン・ディクソン。元オリックスのヘスマンらが出場している。
http://www.milb.com/milb/stats/stats.jsp?gid=2012_07_11_pcaaaa_ilaaaa_1&t=g_box&sid=t568

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