左打ちのラロッカ ブライアン・ブッシャー 2010/04/09 (Fri)

2009年広島カープ打線でもっとも頼りになったアンディ・フィリップスを野村新監督はバッサリ切ってしまった。さらに栗原を三塁へコンバート。どうしても欲しい一塁手がいたからだ。ここまでして、わざわざ獲得したいのだから二人より上の選手でなければならない。

そこで考えられるのが、

ロス・グロード　34才 182センチ 86キロ 右投げ 左打ち
2009
MLB 125試合 打率261 6本 出塁率329 長打率400 OPS729
http://florida.marlins.mlb.com/team/player.jsp?player_id=340393

ロス・グロード動画集　
http://mlb.mlb.com/search/media.jsp?player_id=340393

2007年から二年間ロイヤルズでプレーしていた選手で、メジャー通産28本塁打。メジャーでの三振率がなんと129 !　さては野村監督が参加していたロイヤルズの春季キャンプでグロードと仲良くなって「いつかオマエがカープの監督になる時は、オレを呼んでくれよ」みたいな会話があったに違いない !　これだけの選手ならフイリップスの解雇と栗原コンバートも納得だ。などと思っていたら選んだのはジャスティン・ヒューバー。グロードの控えだった選手だ。仲良くなってたのはこっちかい・・。

ここで日本で活躍する外国人打者、三つのポイントを熱く語りたい。

1. MLBでの経験が少しは欲しい

そりゃメジャーで大活躍してたら日本には来ないけれども、多少はメジャー経験が欲しい。多くの日本人選手がロースター(40人のメジャー契約)に入り込む今、逆にロースター枠ギリギリの選手たちが溢れていて、昔と比べればメジャーでも試合に出ていた優秀な選手を獲得できるはずなのだ。

2. 三振率が低い

「ラロッカみたいにメジャー経験がなくても活躍することがあるからヒューバーも・・」と何度か聞きましたが

来日前年のラロッカの成績

3A 132試合 打率290 10本 68打点 出塁率346 長打率424 OPS770
132試合も出ていながらホームランわずか10本・・・。OPSは770という本当に寂しい成績

それが日本ではカープ球団史に残る大活躍 !
122試合 打率328 40本 101打点 出塁率425 長打率677 OPS1102

何が良かったのか3Aでの成績を見てみると、特筆すべき数値がひとつある。三振が少ないのだ。500打数で53三振。三振率106 ! 通算三振率136 !　球場も狭いし、ボールが良く飛ぶ日本プロ野球では三振アウトが少ないラロッカのような選手は強打者に変換されることがあるのだ。メジャー実績はなくても、三振の少なさこそ実績である。

3. 三振を我慢できる長打力がある

カブレラ237　ブランコ244のように、三振が多くても成功した右打者は存在する。彼らには三振を我慢できる凄い長打があったからこそ。四打席三振でも決勝ホームランが出れば我慢もできる。

ヒューバーの場合メジャー実績はほぼないし、昨年の3A三振率190はラロッカの倍近い。マイナーでの通算の三振率225　これはスコット・マクレーンの通算三振率205を上回るものだ。三振を我慢できるほどの迫力もないとなると、日本プロ野球で成功するイメージが沸いてこない。

こうなると、勝手に新しい候補を選んでそっちに期待してしまおう。

新一三塁手候補　ブライアン・ブッシャー
28才 182センチ 90キロ 右投げ 左打ち

2009
 3A 23試合 打率179 1本 出塁率281 長打率218 OPS499
MLB 61試合 打率235 2本 出塁率360 長打率316 OPS676

昨年はツインズの3Aでヒューバーとともにプレーしていたのだが、3Aでは打率179と打っていない。これは出場が23試合と少なく、続けて3Aで試合に出場していればある程度の数字になっていたはず。メジャーに昇格してからの方が成績が良くなっているのだから。

2008
 3A 53試合 打率319 8本 出塁率402 長打率514 OPS915
MLB 70試合 打率294 4本 出塁率340 長打率390 OPS730

2008年の6月シーボルに代わる三塁手をリスト・アップするというニュースがあったが、この時にリスト・アップされていた(はずの)選手。この時はメジャーに昇格してしまったので獲得はできなかった。2009年ブッシャーはFAとなるが、メジャー契約を結ぶチームはなく、インディアンスとマイナー契約を結び、ロースター入りを目指しキャンプに参加していたのだが、思わぬ強敵が現れた。カープいわくつきの選手ラッセル・ブラニアンがインディアンスと契約したのだ。昨年はシアトル・マリナーズで31本塁打を記録した彼　実は広島カープとの契約も考えていたそうで、獲れていたらどんな活躍だったかのぅ・・と何度思ったことか・・。

一塁と三塁ができる左打ちのブラニアン獲得で、ブッシャーのロースター入りは厳しくなってしまった。カープとは縁がなかったブラニアンだが、ブッシャーのロースーター入りを防ぐ形になっている。オープン戦の終盤までインディアンスのロースター枠を争っていたブッシャーだが、メジャー契約は叶わずマイナーに合流となった。つまり今なら獲得できるわけだ。

守備は三塁の方が経験があるので、栗原にファーストに入ってもらいブッシャーがサードとなる。ただ呼んでみてあんまり上手くなければファーストに。選択肢が広がる栗原のコンバートはやはりありがたい。

ラロッカを左打ちにしたような選手で、マイナーでの通算三振率も157と少なく、コンパクトな打撃フォームで低めの変化球もうまく対応できている。メジャーの1・3塁手としてはパワー不足のため、日本に来るのも時間の問題の選手。日本プロ野球ではかなり活躍できるだろう。

左打ちのラロッカ　あとは敵にするのか、味方にするかだ。

MLB公式　ブライアン・ブッシャー
http://mlb.mlb.com/team/player.jsp?player_id=430927
ブッシャー動画集
http://mlb.mlb.com/search/media.jsp?player_id=430927
マイナー成績
http://www.baseball-reference.com/minors/player.cgi?id=busche001bri
コロンバス・クリッパーズ　ブライアン・ブッシャー
http://web.minorleaguebaseball.com/milb/stats/stats.jsp?pos=&sid=t445&t=p_pbp&pid=430927

マツダ・スタジアム観戦の楽しみの一つに球団公式グッズがある。今年も多くの球団グッズが販売されるのだが、僕がデザインしたTシャツもぜひ加えて欲しい。

外国人選手の獲得に苦労するチームが多い中、カープは優秀なスカウトとフロントが一体となり、素晴らしい選手を獲得している。なのになんで監督が選んじゃうの?　全国のカープ・ファンのメッセージを込めたデザインだ。買ってくれる人は結構いると思う。

販売希望　新Tシャツ 

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追記　ブッシャーは引退し、大学野球のコーチを務めながら、心理学の勉強に励んでいるそうだ。 日本プロ野球には縁がなかったけれど、ブライアン・ブッシャー、第二の人生での活躍を、遠い日本から応援しています。 http://gamecocksonline.cstv.com/sports/m-basebl/mtt/buscher_brian00.html