強肩・強打の救世主 ネイト・シアーホルツ その1 2015/04/04 (Sat)

野村謙二郎監督の元、優勝を目指して戦った広島カープの2014年は二年連続の3位という成績で終了した。

長年のBクラスから脱却し、久しぶりのAクラスに入り、初めてクライマックス・シリーズに進出した2013年とは違い、開幕から首位を走り、優勝できると盛り上がっていただけに、この結果は残念でならない。

最低限の目標だったクライマックス・シリーズの地元開催権のかかる2位も逃がしてしまう、3位という結果だった。

かつては目標だったCSも、優勝を逃した悔しさしかない。

2015年、カープは新監督に緒方孝市を迎え、再スタートした。

今期の広島カープ。ありがたいことに前評判が非常に高く、OB以外の評論家の皆さんからも、順位予想で優勝候補に上げていただいている。

MLBで5年連続二桁勝利、別格中の別格、プロ野球史上最強の補強、黒田博樹。

MLBのFAランキングでは黒田より若い分、上位にランクされた前田健太。

この二枚看板に、大瀬良大地と野村祐輔の新人王コンビ。新外国人投手クリス・ジョンソンも好投を見せている。

はっきり言ってそこら辺のMLBチームよりもレベルが高いと言える自慢の先発陣だ。

逆に怪しいのが得点力だ。

昨シーズン開幕からチームを目一杯引っ張ってくれたホームラン王のエルドレッド。

サイクル安打を放つなど華々しい活躍で、9・10月の月間MVPを獲得したロサリオ。

この二人に加え、球団初年度、最高年俸1億円の外国人打者、ヘスス・グスマンを獲得した。

グスマンは長打力の無さを指摘する声もあるが、長打力を期待して獲得した選手ではなく、広角に打ち分け打率を稼ぐタイプの打者だ。長打力を担当するのはエルドレッドとロサリオの二人。

その分大きなムラがある二人の大砲どちらか＋確実性のグスマンという計画だ。

三人の外国人打者の中からコンディションのいい選手を一軍で二人使う。これで長打力・決定力を保つはずだったのが、キャンプでいきなり崩れてしまった。

開幕前にエルドレッドが膝の半月版を痛め帰国、手術を受けた。半月版の部分切除手術は割と早期に復帰ができるそうで、6月には復帰できるのでは?とされている。

ロサリオは盲腸の手術を受け、現在ファームで試合に出始めているが、まだ一軍に上げるような状態にはなっていない。

二人が復帰したとしても、コンディションに不安が残る。

特に四番を期待するエルドレッドの状態はどうなのか?　早期に復帰が出来たとしても、休みをはさみながらの戦いになると予想される。

今年は勝てるのだ。他のチームのコンディションを見渡しても、カープの強力投手陣なら、そこそこ点を取れれば必ず優勝できる。 

そう考えるとキャンプが終わり、メジャーのロースターに入れなかった選手から、もう一人外国人打者を獲得に動くのではないか?と、いや獲らなきゃダメ。せっかく黒田が帰ってきたのに、無援護なんて許されない。今年優勝するためにもラン･サポートが必要なのだ。こちらも勝手にリスト・アップを進めていた。

カープの外国人打者はエルドレッド、ロサリオ、グスマンと右打者が並ぶので、できれば左打者が欲しい。

私が考えていたのは、この選手だ。

ブレット・ウォレス　Brett Wallace

28歳　188センチ　107キロ　右投げ　左打ち

MLB公式

MLB 通産 311試合 打率242 出塁率313 長打率391 OPS704

ホームラン29本 打点102 四球80 三振318

MiLB 通産 589試合 打率303 出塁率376 長打率483 OPS860

ホームラン91本 打点336 四球203 三振553

この選手はアストロズでスター候補として期待されていた選手で、打率は低く、三振は多いが、長打力に優れ、エルドレッドが左で打っているようなイメージの選手だ。

ポジションはファーストとサードを守る。大砲選手にしては、かなり守備力も高い。

今年の春はパドレスとマイナー契約を結び、キャンプに参加。オープン戦で好成績だったのだが、40人ロースターには入れなかった。

このウォレスが候補になるのでは?と思っていたのだが、カープが選んだのはもっと格上の選手だった。

強肩・強打の救世主 ネイト・シアーホルツ 2